2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧
曇った窓硝子に 恍惚と降り注ぐ爽やかな光は 全ての物事をさらりと無に返して 一日の始まりを告げる 昨日と今日の境目をくぐり抜ける ありふれた奇蹟に遭遇できたならば 今日という日もまた 虹彩をはり替えて 世界の輪郭をイチから決めてゆける
明日の太陽の住所はわからないから 零れてくる夕景の橙を丁寧にビンに流し込む そうっと橙色を舐めてみれば 一日分の記憶の味 ここに太陽の住所を与えよう '4月12日午後4時37分' 次の日の朝 太陽の光で目覚めると 時計は左回り ビンの色は水色で 底に薄っす…
散ればこそいとど桜はめでたけれ 憂き世になにか久かるべき わけもなくつらいよる 好きな曲をいつでも聴ける文明の豊かさに感謝する ぽつんと浮かぶ水色の楕円は 苦悩秘めたる清々しい歌声に やっと救われる命のひとつ 春の 浮つく暗澹たる気持ちは 冬の陰気…
紙や道具を買おうとホームセンターへ自転車を走らせる。ふとペットコーナーを覗いてみれば、ひとつひとつの命がガラス張りの四角いショウケイスに閉じ込められていて不思議な気持ちになる。犬や猫にどれほどの思考能力があるかは検討もつかないけれど、たと…