愛なんてどこにあるのかしら 彼女は愛を食べながらそう呟いた 愛を食べて 夜を食べて 朝はお腹いっぱいで すこし残す それが彼女の日常だった わたしは些かの羨ましさを抑えて 彼女が朝を食べ尽くす日が 永遠に訪れないことを願った 彼女はまた言う 色彩は …
わたしの部屋が 世界中にあるすべての 白い風船で満たされて 真白な部屋に空白が起きた 午後のひかりと 空白のもとで 弾けないバイヲリンを キイキイと弾いた そとの澄んだ空気を聴くと そこでは爽やかな風の音が 世界に爪を立てていた ずっと昔 記憶から形…
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