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FUYUU

2016-01-01から1年間の記事一覧

20160901

あらゆる過去 それは果てしなく遠く 一枚のガラスに過ぎない 今の膨らみ 夏の仕業 線香花火の先 じりじりと上昇して ぱちんぱちんと揺れる 恋人同士の声は 甘く澄み渡り 遠くと近くが 交差している

20160711

水滴がつたる 砂糖は水に溶けて透明 1日、堆積の数ヶ月 音は量を増す 速さが焦りを運ぶ もう何年同じ曲を聴き続けているだろう 過ぎていないと思って 量分を忘れている いまは2016年、22才の年 遠くが点滅し、滲んでいく このリズムを憶えている たくさんの…

20160622

水面に浮かぶ闇と光のこと ぐるぐると回るのはわたしの世界 インサイドアウトの続き ピンク色が表出して 行き交うすべての人、色、覆われた布 あるいは金属とプラスチック 重ねられて不透明 眩暈を流しながら歩く いつのまにか 嘘をつくのがうまくなっている

20160517

いくつもの棘の 決別の炭酸水 泥でも水でも森でもいいから 同じになるための 彼女は間違いではなく それはきっと 代わりにあの人たちが いなくなればよかったのに のに 弱いと言われて あなたのようには 決してならない あの日 7才は冷酷の夏

20160423

毎日かいている、言葉を 書ける日と書けない日があって 優しい日も苛立ちの日もあって 昨日の優しさも信じられない始末で 自分の身に降りかかっている 日々のあれこれが 記録をすればするほど遠い 積み上がったはずのあれこれが 絶望的に頼りない ギターの音…

20160405

若さとはこんな淋しい春なのか /住宅顕信角砂糖なめて終わってゆく春に二十二歳のシャツ脱ぎ捨てん /俵万智 春の唄はどうしてこうも青いのだろう。/気づけば冬の鬱々しさは春の風に絡めとられている。何もかもがこうして過ぎ去り、この春の私の22歳は、もう…

20160325

結局春がやってきて、冬のことは忘れかけ。いろんな終わりが身に沁みて、春の青さがつめたく光る。

20160310

あなたのわたしと私のわたしは途方もなく違います。それと同じようにわたしのあなたと貴方のあなたでは途方もなく違うのかもしれなくて、隔たり、その遠さすら不明です。細心の注意でもって臨みます、隔たりのもやを水に戻す、その一瞬一瞬について。その水…

20160211

ひとつ年を重ねても、からっぽの身体とその重さを持て余すかなしみの量は変わらない。夜はいつだって音を吸い込み、空気に響きを与えているし、闇はしっとりと身体の居場所をつくる。自分が身体を置き去りにしているときは気が付くことができないけど、夜が…

20160117

ずれているきしきしと音を立ててずれている場所が、からだが取り戻せない隣の部屋の明かりもコンビニの明かりもきちんとついているついている、今日も 明かりひとつで 胸がきゅうと鳴る月はひそやかに色彩を吸収している木々は取り戻すかたちを、沈黙を 葉っ…

20160116

黒く重い液体が腹の底に溜まる。そんなこともあった、たしかにあったのです。自分を正当化するなんて、馬鹿なことはしない。ただ、いつもは忘れてるけど、自分にも液体が溜まっているという事実は、やりきれなくて哀しい。文字が、画面のうえを滑る。滑るの…