N / N

FUYUU

20151007


いろんな人間関係を
よく想定する
ありもしない会話を
積み重ねて
現実が違うことへの安堵と
わたし自身は
女の子でしかないことへの嫌悪を
かくにんして
言葉を免罪符にする
みんなが噤んだ言葉は
消えてなくなったりしない
音のない言葉は
宙に浮いて
じわりじわりと空気に滲んで
他人の肺に入り込む
だから
それがどんなに罪深いのか
知ったつもりになって
発する言葉は免罪符
ぼくたちは
免罪符の交換を
たくさん続けて
ますます罪深い
せめて
たまった免罪符は
ちゃんと燃やしてあげなくては