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FUYUU

20141208

個が分裂した
 
成熟が
巨大な切なさを齎して
身体を蝕んでいるのだ
 
気づかなくて良かったのに
私にはとっくに身体がない
 
やりきれずに
身体を売った
切なさへの
強大な欲望の上で
静かに遂行されて
まるで悲しみがなかった
 
すこしだけ
古着屋さんの
クローゼットの中に
埋れて窒息したい
と思った
 
くだらない妄想に
救済されながらも
私は精一杯の力で殺した
言葉を殺した
 
それは
私にとっての唯一の救いだった
 
言葉を殺せなくなったら
そこには死がない
救うべき死がない
 
鉄を流し込んで闇が訪れた
昼夜を問わず闇があった
熱を帯びた闇が
すべてを満たした
 
世界のなかに
おれんじ色が
鮮やかに響いた