N / N

FUYUU

20140709

しとしとと雨が降り続いてるせいだろうか。湿気に絡めとられてうまく言葉が出てこない。わけのわからないというのは望むところだが底なし沼のようなわけのわからなさは勘弁してほしい。先週気が向いて母校の礼拝に行ってみたけれど退屈に延びきった空間は相変わらずでノアの方舟の話を上の空で聞き流した。眼下に望む中学生の何人が真面目に聞いていただろう。もう七月だから中一でさえも一部は聞くのをやめているだろう。あえて感想を述べるならノアを笑った人を愚かだと蔑むのは賛美できない。それこそ唯一神信仰の愚かな思想だ。信仰心のない人はなべて救われないなんて暴力的すぎる。もっとも、ノアの方舟の物語を現代につなげようってのが無茶苦茶なんだけれど。結局その日は中高時代を過ごした場所がいつまでも変わらずぬるいことを確かめただけになってしまった。ただそのぬるさこそが、退屈な気分が、私を今へ今へ駆り立てたのだろうと今になってやっとわかる。

世間がようやく平和だとか戦争だとか叫び始めているが、彼ら彼女らのシュプレヒコール高野悦子ほどの生への真剣さがあるようにはとても思えなくてぼーっと眺めている。私は不勉強だが、みんなも基本的に不勉強だと思う。想像力の欠如が著しい。いつの時代も。どうすることもできないのかな。

“平和ってのは、ある意味で戦争より厳しいんです”              ー『20世紀詩人の日曜日/田村隆一

この言葉を静かに飲み込んでいたい。